未来 November 15th 2023
過去は見ることができても
未来は見ることができない
そう教えてくれた人がいた
写真や記憶
私たちは
それを辿って過去を見ることはできる
私にとって
何百回と歩いたこの道
だけど
同じ景色を見ることはない
それは人工的ではない自然そのままの景色だから
紅葉
人々がイメージするのは真っ赤な紅葉
だけど
自然林の中では
真っ赤な紅葉はまばらに存在するだけ
標高500mの森の中では
紅葉せずに越冬する樹木もある
たった1年前
一緒に歩いた道も記憶はお互い曖昧
紅葉ってどんな感じだったっけ?
それくらいの記憶
人は時に過去の記憶を塗り替えることがある
事実ではなかった出来事を
作り変えて
さも現実のように記憶してしまう
それでも
書き換えができないくらいの記憶は
別の記憶に一時的に置き換えるしかない
パソコンのスリープモードになった時の
スクリーンセイバーみたいな感じ
自分にとって不快でないものに置き換える
記憶のストレージには優先順位があって
なぜかすごく幸せを感じた瞬間よりも
辛かった記憶が優先される
生き物はセキュリティー優先に記憶が働く
不快なもの
危ないもの
怖いもの
でも
必ずどこかに
安全と安らぎを感じる記憶があれば
不快なもの
危ないもの
怖いものよりも
幸せ
愛情
安心に感じるものに書き換えられるはず
そうやって
生きる術を見つけて
生きている