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執筆者の写真森林セラピスト Masumi Lily K.

森歩き日記 Vol.43



「今があればそれでいいんじゃないの」


そう

確かに今が充実していれば

それまでの過程は大して重要ではないのかもしれない


だけど

これまでの歩みを知っていれば

尚一層

その人のことを大切にしようという思いに辿りつくはず


全てをシェアする必要はないけれど


生きてきた証は

自分にとって誇り


今日は母の命日

もう丸9年になる


60代で逝ってしまった母


オムツを交換しようと横にした瞬間に息が止まった

自分でも全くの無意識で

手が勝手に心臓マッサージをしようと胸元に伸びたのをよく覚えている


寝たきりになって4年間

私は未だに母に無駄な延命をしてしまったのではないかと

ずっと後悔をしている


それから

答えのない答えを探すように

死生学を学び直し


その答えは永遠に見つからないものと気づく


誰しも

ドラマのように

一人一人に生きてきたストーリーがあって


誰かと比べる必要はないけれど

自分は他の人より少し苦労が多かった分

そこに共感し

その道のりを頑張ったねと讃えあってくれる

そんな友がいる


長く一緒にいると

少しずつすれ違うこともある


当たり前のように

お互いを理解して

あなたのことは自分が一番理解していると

そう思い込んでいることもある


そう思っていても

それぞれ生まれてから出会うまでの生きてきた過程には


あなたの知らない私もいて

苦しい時間もあって


楽しそうに笑っている私は


時に

空を見上げて

もうこの世にいる必要なんてないと思ったこともあった


見上げる空は

これまで出会ったすべての人たちの上に存在し


ずっと何億年もの間

変わらずそこに存在する


私の51年の人生は

地球時間で言うと0.1秒にも満たないかもしれない


母の67年の人生には

その先にもっと自分らしく生きたいと思った希望があったかもしれない


ずっと誰かに愛されることばかりを求めていた母


その時の母の年齢になって

娘であった私には理解できなかった気持ちが

少しだけ理解できるようになったような気がする


シングルマザーで

働き者だった母


高卒で一生懸命資格を取り

いくつも仕事を掛け持ちし

家でも副業をこなし

ずっと肩こりに悩まされていた


狭い団地の居間に

寝る時はこたつテーブルを隅に立てかけて

布団を二つ敷いて一緒に寝起きしていた


できるだけ

私も仕事が早く終わった日には夕食を作り

母が副業をしているこたつテーブルで食事をし

休日また母はそこで仕事を始める


そのこたつテーブルは

15年以上経った今も

私と一緒に生活している


思い出したくない過去も

懐かしい過去も


ずっと一緒にあるからこそ

私は今も一人で暮らしていけるんだと思う


ちなみに

私はお墓にあまり仏花を置かない

できるだけ可愛らしい花を添えて

必ず写真を撮って帰る


母が喜ぶことをしてあげたい


お母さん

ありがとう


#森林セラピー #森林浴 #神奈川 #グリーフケア





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